「ソプラノリコーダーを買いたいけど、バロック式とジャーマン式って何が違うの?どっちがおすすめ?」
このような疑問にお答えします。
ソプラノリコーダーにはバロック式とジャーマン式があってどちらが良いか迷いますよね。
「ていうか、ジャーマンとかバロックって何?」って方も多いかもしれませんね。
私も以前はどちらがよいか悩んでいたので、試しにどっちも買ってみました!
結果、バロック式の方がおすすめです!
- 様々な曲を演奏しやすい
- アルトリコーダーなどとの持ち替えがしやすい
正直、バロック式に慣れると、ジャーマン式は吹く気がしなくなりますよ(もちろん、ジャーマン式にも良さはあるのですが…)。
この記事では、バロック式の方がおすすめな理由を詳しくご紹介しますので、どちらにするかお悩みの方はぜひご覧ください。
バロック式とジャーマン式の違い
バロック式とジャーマン式には、次のような違いがあります。
- 見た目(右手トーンホールの大きさ)の違い
- バロック式:小→大
- ジャーマン式:大→小
- 運指の違い
- バロック式:ファが難しい、ファ#が簡単
- ジャーマン式:ファが簡単、ファ#が難しい
- 種類の違い
- バロック式:全種類のリコーダーで採用
- ジャーマン式:ソプラノのみで採用
- 歴史の違い
- バロック式:バロック時代(1600年~1750年)のヨーロッパで発展
- ジャーマン式:20世紀初頭にドイツのペーター・ハルランが開発
特に2番目と3番目の違いは影響が大きく、今後の快適なリコーダーライフを左右するものとなります。
見た目の違い
バロック式とジャーマン式の1つ目の違いは、見た目の違いです。
下の画像はバロック式とジャーマン式を並べた写真ですが、よく見るとトーンホール(穴)の大きさが違います。
![バロック式とジャーマン式のトーンホール](https://recorder.the--road.com/wp-content/uploads/2024/05/baroque-or-german-tonehole.avif)
上から4番目の穴と5番目のトーンホール(穴)の大きさが違いますね。
- バロック式は「小→大」
- ジャーマン式は「大→小」
このようにバロック式とジャーマン式では見た目がやや異なるので、楽器を見て「ああ、これはジャーマン式だね。」みたいに言うと、少しだけ玄人感を出すことができます(笑)。
運指の違い
バロック式とジャーマン式の2つ目の違いは、運指です。
バロック式 | ジャーマン式 | |
---|---|---|
ファの運指 | 難しい | 簡単 |
ファ#の運指 | 簡単 | 難しい |
ご参考)バロック式とジャーマン式の運指(ヤマハHP)
ポイントとなる違いを、写真付きでご説明しますね。
ファの運指:バロック式の方が難しい
![バロック式とジャーマン式の運指の違い:ファ](https://recorder.the--road.com/wp-content/uploads/2024/04/bg-low_f-1-1024x538.avif)
バロック式で「ファ」を出すには、右手の人差し指・薬指・小指の3本をおさえなければならず、難しいです。
私もバロック式を使い始めた時は、慣れるのに苦労しました。。。
一方で、ジャーマン式で「ファ」を出すには、右手の人差し指だけでよいので、非常に簡単ですね。
高い「ファ」も同じく、バロック式よりもジャーマン式の方が簡単です。
![バロック式とジャーマン式の運指の違い:高いファ](https://recorder.the--road.com/wp-content/uploads/2024/04/bg-saming_f-1-1024x538.avif)
バロック式でも、高い「ファ」は小指がなくなるので、低い「ファ」に比べるとだいぶ簡単になりますよ。
ファ#の運指:バロック式の方が簡単
![バロック式とジャーマン式の運指の違い:ファ#](https://recorder.the--road.com/wp-content/uploads/2024/04/bg-low_f-1024x538.avif)
バロック式で「ファ#」を出すには、右手の中指・薬指の2本を押さえればよく、比較的簡単です。
一方で、ジャーマン式で「ファ#」を出すには、右手の中指・薬指・小指の3本をおさえねばならず、けっこう難しいですね。
高い「ファ#」になると、バロック式の方がはるかに簡単になります。
![バロック式とジャーマン式の運指の違い:高いファ#](https://recorder.the--road.com/wp-content/uploads/2024/04/bg-saming_f-1024x538.avif)
高い「ファ#」はよく使う音なので、バロック式の簡単な運指はありがたいですね。
バロック式とジャーマン式の運指はどっちが使いやすい?
それぞれに長所と短所がありますが、私はバロック式が使いやすいと感じています。
音楽の授業で演奏する曲は#や♭あまり出ませんが、趣味でいろいろな曲を吹いていると#や♭は頻繁に出てきます。
たとえば、『風笛』は、ファ#を多用しますね。
こういう曲を吹くときに、バロック式の方が簡単に吹けて、音色や音程も良いんですよね(ジャーマン式では吹ける気がしません。。。)。
でも、小学生など「手が小さい人」には、ファが難しいバロック式は、指が届かなくて難しいかもしれません。
ジャーマン式はソプラノリコーダーしかない
バロック式は色々な音域のリコーダーがありますが、ジャーマン式はソプラノリコーダーしかありません。
音域 | バロック式 | ジャーマン式 |
---|---|---|
ソプラニーノ | 〇 | △ |
ソプラノ | 〇 | 〇 |
アルト | 〇 | × |
テナー | 〇 | × |
バス | 〇 | × |
小学校で使うソプラノリコーダーはジャーマン式ですが、中学校で使うアルトリコーダーや、ソプラニーノ・テナーリコーダーなどには、バロック式しかありません。
私は元々はジャーマン式使いだったので、以前はどちらでも吹けましたが、最近はバロック式しか吹けなくなってしまいました。。。
歴史の違い
バロック式とジャーマン式には、歴史の違いがあります。
- バロック式
- バロック時代(1600年~1750年)のヨーロッパで発展
- ジャーマン式
- 20世紀初頭にドイツのペーター・ハルランが開発
- 学校教育用として普及していく
元々はバロック式しかなかったんですね。
でも、ジャーマン式リコーダーが開発されたおかげで、学校教育に使われるようになり、リコーダーが広く普及するようになりました。
学校でリコーダーをしていなかったら、私は今リコーダーをしていなかったと思うので、感謝しないといけませんね。
バロック式をおすすめする3つの理由
バロック式をおすすめする理由は3つあります。
3番目の理由は、一見ふざけているようですが、リアルで演奏していると割と感じることの多いメリットです。
以降でそれぞれご説明しますね。
様々な曲を演奏しやすい
バロック式をおすすめする1つ目の理由は、様々な曲を演奏しやすいことです。
- 趣味で演奏すると#や♭は多発
- #や♭の運指はバロック式の方が簡単
- ジャーマン式は#や♭の音色も微妙
学校の授業で演奏するリコーダーの曲は#を多用するような曲は出てきませんが、趣味で演奏していると#を多用する曲も多く出てきます。
そんな時にジャーマン式だと、指が難しいし音色や音程も微妙になり、楽しく演奏できないかもしれません。
「バロック式にすれば楽勝!」というほどバロック式も簡単な訳ではないのですが(笑)、私の経験上、バロック式の方がストレスなく演奏できますよ。
ソプラノ以外のリコーダーとの持ち替えがしやすい
バロック式をおすすめする2つ目の理由は、ソプラノ以外のリコーダーとの持ち替えがしやすいことです。
ソプラノ以外のリコーダーは、全てバロック式です。
音域 | バロック式 | ジャーマン式 |
---|---|---|
ソプラニーノ | 〇 | △ |
ソプラノ | 〇 | 〇 |
アルト | 〇 | × |
テナー | 〇 | × |
バス | 〇 | × |
そのため、ソプラノだけジャーマン式を使っていると、アルトやソプラニーノなどに持ち替えた時に指使いが混乱しがち(笑)。
普段の練習のときは問題なく持ち替えできていても、本番で緊張している時はミスってしまったり…
なんか玄人感が出せる
バロック式をおすすめする3つ目の理由は、なんか玄人感が出せることです。
多くの人が知っているソプラノリコーダーはジャーマン式なので、バロック式を吹いていると「何その指使い」と驚かれることがありました。
そこまで気づく人は稀ですが(笑)、小ネタとして自分から話せば「この人リコーダーに詳しそう…」と、リコーダーの玄人っぽい雰囲気を出せます。
まとめ
バロック式とジャーマン式の違いについてご紹介しました。
- 見た目(右手トーンホールの大きさ)の違い
- バロック式:小→大
- ジャーマン式:大→小
- 運指の違い
- バロック式:ファが難しい、ファ#が簡単
- ジャーマン式:ファが簡単、ファ#が難しい
- 種類の違い
- バロック式:全種類のリコーダーで採用
- ジャーマン式:ソプラノのみで採用
- 歴史の違い
- バロック式:バロック時代(1600年~1750年)のヨーロッパで発展
- ジャーマン式:20世紀初頭にドイツのペーター・ハルランが開発
ジャーマン式にもメリットはありますが、大人が趣味として楽しむならバロック式の方がおすすめですよ。
色んな音楽を演奏しやすく、アルトなどとの持ち替えもしやすいからです。
また、バロック式とジャーマン式を間違って買ってしまうことはよくあるので注意しましょう!(私もやらかしました…笑)
ソプラノリコーダー
アルトリコーダー
ソプラニーノリコーダー