管楽器を演奏するときに、頬が膨らむ人っていますよね。

他人事のように書きましたが、実は私もその一人でした…笑

中学生でチューバをはじめて高校でクラリネットに転校し、大学を卒業するまでの10年間、、、

毎日毎日毎日毎日…頬を膨らませないように気をつけていましたが、ずっと膨らんでいました。

でも今は、何も気にせず吹いても、頬を膨らませずにクラリネットを吹けます。

吹奏楽部の現場では、頬を膨らませる人に対して「頬の筋肉を鍛えろ」とか「頬を膨らませないよう注意しろ」みたいな指導をされますが、問題は頬ではありません。

事実、私は10年頬を意識しても治りませんでした。

頬が膨らむのは舌の問題です。

舌の位置が下がっているから、頬に空気が流れて頬が膨らむんです。

舌の位置が上がると、舌と硬口蓋(口の中の天井)で息の通り道ができて頬に空気が流れないので、頬は膨らみません。

頬が膨らまなくなると、見た目が良くなるだけでなく、頬や舌の力みが取れて音が響くし、息がフォーカスされて音がまとまるし、タンギングもやすくなります!

以降で詳しく説明しますので、頬が膨らんでお悩みの人は、ぜひお試しください。

頬が膨らんでしまう理由

頬が膨らむ理由は、頬に流れる息の力が、頬の力に対して強すぎることです。

クラリネットなどの管楽器は、かなり抵抗感が強いので、けっこう強い息の圧力が必要ですよね。

その息の圧力を頬の筋肉では耐えることができないから、頬が膨らんでしまうというわけです。

ほとんどの人が頬が膨らまない理由

同じ楽器を吹いていても、ほとんどの人は頬が膨らみませんよね。

その理由は、頬の筋肉が強いから、、、ではありません(笑)。頬に空気が流れていない(流れていても力が弱い)から膨らまないのです。

頬に空気が流れなければ、当然ながら頬は膨らみません。

「10年間も頬が膨らまないように意識して頬を鍛え続けた私」が頬が膨らんでいたのに、「頬の筋肉なんて鍛えたこともない初心者」の頬が膨らまなかったのも、これなら納得いきます。

頬の筋肉の強さは関係ないから、初心者でも頬が膨らまないんです。

「頬の筋肉を鍛えよう」とか「頬が膨らまないよう意識しよう」と思っている方は、無駄(どころが有害)ですのでいますぐやめましょう。

私のように10年を頬の修行に費やし、その時間をかければ本来習得できたはずの技術を習得できないのは、悲しすぎますので。。。

ということで、頬に空気が流れないようにする方法を、ご紹介します。

頬が膨らまないようにする方法

頬が膨らまないようにするには、硬口蓋(口の中の天井)と舌で息の通り道を作るとよいです。

  • 硬口蓋:口の中の天井。舌で触ると分かりますが、硬いので息の圧力に負けません
  • 舌:分厚い筋肉のかたまりなので、息の圧力に負けません

頬は息の力に耐えられずに膨らみますが、硬口蓋と舌はどちらも屈強なので、息の圧力に対抗できます。

ですので、息の通り道から頬を外してしまいましょう。

息の通り道を作るには舌が重要

硬口蓋と舌で息の通り道を作るには、舌が重要です。

硬口蓋は動かせませんので、舌を動かすしかありません。

舌を硬口蓋の方に持ち上げると息の通り道ができる

舌を硬口蓋の方に持ち上げると、舌と硬口蓋音で息の通り道ができます。

舌の持ち上げ方には2つの方法がありますが、舌をリラックスする方法がおすすめです。

  • 舌に力を入れて持ち上げる
  • 舌をリラックスする(勝手に持ち上がる)

「頬が膨らまないけど音がきたない人」は多いですが、そういう人は舌は持ち上がってるけど力んだ状態になっていると思われます。

舌に限らずですが、力むと音が響きません。

幸い、リラックスすると舌の位置は勝手に上がりますので、力を抜くよう意識しましょう。

舌の力を抜く方法

「舌の力を抜きましょう」と言われても、力を抜くのってめちゃくちゃ難しいですよね。

私も力を抜くのが苦手でしたので、「力を抜いて」と指導されるたびに、「抜きたいけど上手くできん…」と途方に暮れたものでした。。

そんな私が舌の力を抜けた方法をご紹介します。

  1. 口を自然に閉じる
  2. 舌が硬口蓋(口の中の天井)に触れているのを感じる
  3. 2の状態のまま息を吐こうとする
  4. 息が舌と硬口蓋にせき止められ流れないのに頬が膨らまないことを確認する
  5. 舌先をわずかに下げ息を吐く

まずは楽器は持たずに行いましょう。

口を自然に閉じているときは、舌の力が自然に抜けて、舌が硬口蓋に触れていますよね(もし触れていないときは、唾を飲み込むと舌が上に上がりますよ)。

舌が上がった状態で息を吐こうとすると、硬口蓋と舌で息がせき止められて息が流れないですよね。

息がせき止められているときは、かなり息の圧力がかかっているはずですが、息が頬に流れないので頬は膨らみません。

もしここで頬が膨らんでしまった場合は、息を吐くときに舌に力が入ってしまっているかもしれません。

  • 舌が力んで細くなっていないか
  • 舌の根本をのどに向かって引き下げていないか
  • 舌の真ん中をへこませていないか

を確認して、息を吐くときにもできるだけ舌を自然な状態に保てるようにしましょう。

息をせき止められたら、舌先を少し下げて、息を出しましょう。

楽器を構えたときに同じような舌の動きをできれば、頬が膨らまないはずです…!

これまでの癖を取るのは簡単ではないので、たぶんすぐにはできないと思いますが、気長に続けてみてください。

私は通勤中の歩いている時に何度も何度も繰り返し練習して、気づいたら舌の力を抜いたまま息を吐けるようになっていました。

上手くいかない原因と対策

上手くいかない原因と対策をまとめました。

  • 口を開きすぎて硬口蓋に舌が当たらなくなっている
    • 口の力を抜く(上の歯と下の歯の間に少し隙間が開くくらいになる)
  • 息を吹き込もうと頑張って舌に力が入っている
    • 息を吹き込むのではなく、ため息のように吐くイメージ
  • のどを開こうとして舌の根元が下がっている
    • 舌の根本を下げると「のどを開いた気分」になるし音も響くけど、弊害も大きい(息が吸いづらい、音がまとまらない、タンギングが荒いなど)
    • 舌の根本は脱力を保つことで呼吸・音色・タンギングが改善

私は全てやらかしていました(笑)

「のどを開く」というのは吹奏楽部ではよく言われますが、抽象的で分かりにくいですね。

私のように舌の根本を下げてのどを開いた気になっている方も多いのではないでしょうか。

舌の根本を下げると音は響きますが、一流奏者のような洗練された音にはなりません。

タンギングがしにくくなるので、技巧や表現面では不利になりますしね。

ですので、一時的には下手になってしまうかもしれませんが、挑戦してみるのもよいでしょう。

まとめ

管楽器演奏中に頬が膨らまないようにする方法をご紹介しました。

クラリネットのプロに習っても直らなかった頬のふくらみを直せた方法ですので、お悩みの方はぜひ試してみてくださいね。