「日本の樹脂製リコーダーメーカーって、どんな会社があるの?」
「メーカーごとの特徴を知りたい」
このような疑問にお答えします。
- 樹脂製リコーダーメーカーと特徴
- おすすめの樹脂製リコーダー
小学校や中学校で手にする樹脂製リコーダーですが、実はいくつかメーカーがあるのはご存知でしょうか。
- ヤマハ
- アウロス
- ゼンオン
恥ずかしながら、私は最近までゼンオンをよく知りませんでした(小学校アウロス・中学校ヤマハだったので…)。
メーカーによる違いが気になりすぎて夜しか眠れなかったので、全てのメーカーの樹脂製ソプラノとアルトを実際に20本以上買って吹き比べてみました!笑
結果、どのメーカーの樹脂製リコーダーも超優秀だったのですが、それぞれに個性があることに気づきました。
この記事では、実際に購入した体験に基づいて、各メーカーの特徴をご紹介します。
樹脂製リコーダーメーカーと特徴
日本の樹脂製リコーダーメーカーとしては、次の会社があります。
- ヤマハ
- アウロス
- ゼンオン
いずれも半世紀以上リコーダー事業を手がけており、初心者から上級者まで楽しめる超優秀なリコーダーを作られています。
どのメーカーも音色・音程ともに良いので、私みたいに趣味で楽しむレベルでしたら、十分すぎる性能ですよ(私の場合、数万円で買った木製リコーダーの方が音程悪かったですし…)。
以降でそれぞれのメーカーについて、ご紹介しますね。
ヤマハ (Yamaha)

日本の樹脂製リコーダーメーカー1つ目は、ヤマハです。
リコーダー以外にも様々な楽器を製造しており、私は吹奏楽部時代もお世話になりました。
製造開始 | 1967年 |
代表的なモデル | バイオマス素材リコーダー |
種類 | ソプラニーノ~バス |
特徴 | 明るく透明感のあるきれいな音色 正確な音程 高音が抜群に出しやすい |
ヤマハ樹脂製リコーダーは、きれいな音が出しやすく高音も楽に出せるので、初心者の人でも楽しく演奏できますよ。
私も大学生の時に買ったヤマハのソプラノリコーダーを愛用し続けています。
また、ヤマハリコーダーはいくつかのモデルを持っているのですが、どのモデルも音程が良いです。
(アウロスやゼンオンはモデルによっては音程がいまいち)
ヤマハは安定して音程が良いので、リコーダーアンサンブルやピアノなどとの合奏にも使いやすいですよ。
アウロス (Aulos)

日本の樹脂製リコーダーメーカー2つ目は、アウロスです。
私が小学生のときに初めて手にしたリコーダーがアウロスだったこともあり、「アウロス=リコーダーの定番」という印象でした。
実際、樹脂製リコーダーの製造開始は、アウロスが一番最初です。
製造開始 | 1954年 |
代表的なモデル | シンフォニーシリーズ |
種類 | クライネソプラニーノ~バス |
特徴 | よく響いた豊かな音色(特に低音) 正確な音程 各音域に優秀なシンフォニーシリーズが展開されている安心感 |
アウロスには、超優秀なシンフォニーシリーズがあります。
- 音色や音程・吹奏感が非常によい
- クライネソプラニーノからバスまで幅広く展開されている
- それぞれの種類が全部性能がよい
私はシンフォニーシリーズは、クライネソプラニーノからアルトまでの4本持っているのですが、ハズレがありません。
- クライネ:シンフォニー 501S(E)
- ソプラニーノ:シンフォニー 507B(E)
- ソプラノ:シンフォニー 503B(E)
- アルト:シンフォニー 509B(E)
- テナー:シンフォニー 511B(E)
- バス:シンフォニー 533B(E)
「おそらくテナーとバスも良いリコーダーだろう」という安心感があります。
ヤマハやゼンオンには、アウロスシンフォニーシリーズのように、同じモデルで色んな種類(ソプラノ、バスなど)に展開されているものはありません。
そのため、ヤマハは「ソプラノとアルトはすごく良いけどソプラニーノは微妙…」という状態になっており、テナーを買うのが少し怖いです(ゼンオンはそもそもソプラノとアルトのみ)。
その点、アウロスはシンフォニーシリーズがあるので、安心できるのが魅力ですね。
また、2024年に新しく発売された、シンフォニーシリーズの木目調リコーダーが超優秀です。
音色や吹奏感がとても良いだけでなく、見た目もすごくカッコよい、、、私のお気に入りモデルです。
ゼンオン (Zen-On)

日本の樹脂製リコーダーメーカー3つ目は、ゼンオンです。
私は最近までゼンオンリコーダーを持っていなかったのですが、ものすごく良い樹脂製リコーダーが勢揃い。
音色と吹奏感はゼンオンがすごく好きなので、吹きこなすべく研究中です。
製造開始 | 1960年代後半 |
代表的なモデル | ブレッサンモデル |
種類 | ソプラノ・アルト |
特徴 | 落ち着きのある豊かな響き 正確な音程 マニアックな設計 |
ゼンオンの特徴は、商品紹介のマニアックさです。
ヤマハやアウロスは商品の特徴をさらっと書いてあるのですが、ゼンオンは商品の背景や設計・監修者などの話をがっつり買いてあります。
あんなに熱意のある商品紹介を見せられたら、試したくなる…笑
ということで、ソプラノとアルトを買ったのですが、とても良いです。
軽い吹き心地なのにしっかり響き、音色も落ち着いていてすごく好みです。
見た目もカッコよくて、幼稚園年長の娘に「どのリコーダーが欲しい?」と各メーカーのリコーダーを並べて選んでもらったのですが、ゼンオンを選んでいました。
「パパの笛うるさい!」と怒っていた娘も、小学校を意識して、ついにリコーダーデビューです!笑
年長の娘が適当に吹いても、けっこう良い音がするので、初心者でも楽しめるリコーダーですよ。
おすすめの樹脂製リコーダー
安くて高性能な日本の樹脂製リコーダーですが、モデルによって性能の差は大きいです。
そこで、各メーカーのおすすめ樹脂製リコーダーを、ソプラノ・アルトそれぞれご紹介します。
実際に購入して演奏した上でのおすすめですので、参考にしてみて下さいね。
ソプラノリコーダー
ソプラノリコーダーのおすすめモデルは、それぞれ以下の通りです。
ヤマハ ソプラノリコーダー YRS-402B

ヤマハ ソプラノリコーダー YRS-402Bは、バイオマス素材のソプラノリコーダーです。
黄色い見た目がかわいいだけでなく、非常に性能も良いですよ。
良いところ
- 明るく透き通った音がする
- 全音域で安定した音程
- 高音が非常に出しやすくきれい
微妙なところ
- やや鳴らしにくい
音色の透明感と高音の出しやすさが特徴の素晴らしいリコーダーです。
高いド(真ん中のドの1オクターブ上)より上の音も非常に出しやすく、ピタゴラスイッチも吹きやすいですよ。
非常に良いのですが、普通の樹脂製ソプラノリコーダーに比べて「楽器全体が鳴っている感」を得にくいんですよね(私の技量不足はあると思いますが…)。
後述のアウロスやゼンオンの方が、しっかり鳴ったスカッとする音が出せます。
とは言っても、総合的な性能と美しい音色がある、私のメインのソプラノリコーダーです。
小学校で使うジャーマン式版は、YRS-401という型番ですので、間違わないように注意しましょう。

AULOS ソプラノリコーダー シンフォニー503BW

AULOS ソプラノリコーダー シンフォニー503BWは、アウロスシンフォニーシリーズの木目調ソプラノリコーダーです。
元々のシンフォニーシリーズも良かったのですが、木目調になることで各段に良くなっています。
良いところ
- 芯があるのに甘くまろやかな音色
- 全音域で安定した音程
- 低音域から超高音まで出しやすい
微妙なところ
- トーンホールの間隔が少し広くて、やや持ちにくい
とにかくバランスの良く、ヤマハ YRS-402Bと同様に総合力の高いリコーダーです。
これまで「高音域はヤマハが最強」と思っていたのですが、AULOS ソプラノリコーダー シンフォニー503BWはヤマハに負けないくらい高音が出しやすいですね。
一番のお気に入りモデルなんですが、右手トーンホールの間隔が少し広めなので、手が小さい人にはヤマハやゼンオンの方が演奏しやすいかもしれません(私は気になりませんが…)。
私の一番のおすすめモデルなんですが、Amazonや楽天市場では売り切れていることも多く、入手しづらいので、欲しい方は小まめに確認してみてくださいね。
ゼンオン ソプラノリコーダー 150BN

ゼンオン ソプラノリコーダー 150BN、ゼンオンソプラノリコーダーの最上位モデルです。
バロック時代の名製作者のステインズビーというオリジナル楽器を基に、アメリカ最高のリコーダー製作家であるフリードリッヒ・フォン・ヒューネの設計・監修で製造したリコーダー。
ものすごくカッコ良くて、持っているだけでテンションが上がります(笑)。
良いところ
- 落ち着きのある甘く美しい音色
- 楽器がしっかり響いて気持ちいい
- 低音から高音まで芯のある音がする
微妙なところ
- 音程のバラつきがある
ゼンオン 150BNは、とにかく音が良いです。
正直、音程のバラつきは私の許容範囲を超えていて、特に真ん中のド♯が低いのが辛いんですが…
そんなのどうでも良くなるレベルで音色がよく、ついつい吹いてしまいます。
明るすぎない落ち着いた甘い音色で、楽器もしっかり響くので、吹いていて最高に気持ちいいんですよね。
音程は気合いで補うつもりですが(笑)、やはり気になるため、ゼンオン 130Bに注目しています。
このモデルのジャーマン式を娘に買ったのですが、ゼンオン150BNと同じ設計の頭部管で音色も良い上に、トーンホールの配置がヤマハに似ていて音程の良さも期待できそうだからです。
リコーダーを買いすぎて妻に怒られそうなので、いずれ(笑)
アルトリコーダー
アルトリコーダーのおすすめモデルは、それぞれ以下の通りです。
ヤマハ アルトリコーダー YRA-402B

ヤマハ アルトリコーダー YRA-402Bは、ヤマハのバイオマス素材のアルトリコーダーです。
見た目がかわいくて音も良いので、YouTubeでも利用されている方がおられますね。
良いところ
- 高音から低音まで出しやすい
- 特に高音域の出しやすさは格別!
- 明るく絹のように滑らかな音色
微妙なところ
- しっかり響かせるのが意外と難しい
ヤマハ アルトリコーダー YRA-402Bの特徴は、明るく絹のように滑らかな音色と高音域の出しやすさです。
初めて吹いたときは、高いファがあまりに簡単に出せて驚きました。
動画の曲は、高いファが繰り返し出てくる曲で、以前大ホールで演奏したときは「音外しそうで怖い…」とビビりまくりながら吹いたのですが(笑)、ヤマハ アルトリコーダー YRA-402Bなら安心して吹けそうです。
低音から高音まで、音色・音程ともに素晴らしいリコーダーで初心者でも楽しめるモデルなのですが、しっかり響かせるのが意外と難しいです。
適切な奏法をしないとよく響かないので、吹きこなすべく研究中です。
AULOS アルトリコーダー シンフォニー509BW

AULOS アルトリコーダー シンフォニー509BWは、アウロスシンフォニーシリーズのアルト(木目調)です。
木目なしのアルトもすごく性能が良くて長らく愛用していたのですが、木目ありモデルはさらに良くなっています。
良いところ
- 芯があるのに柔らかいクラリネットみたいな音色
- ヤマハみたいに高音が出しやすい
- 高いレベルで性能のバランスがよい
微妙なところ
- ウィンドウェイに水滴が詰まりやすいかも
- 管が太いため右手小指が少し押さえにくい
AULOS アルトリコーダー シンフォニー509BWは、芯があるのに柔らかい音がするのがすごく気に入っています。
ヤマハのYRA-402BやYRA-28Bも音は柔らかいのですが、芯がないので物足りなかったんですよね。
芯と柔らかさを両立しているのが素晴らしい、お気に入りリコーダーです。
また、ヤマハのYRA-402Bに負けないくらい高音がめちゃくちゃ出しやすく、高いファより上の音も簡単に出せます。
すごく良いリコーダーなんですが、ウィンドウェイに水滴が詰まりやすいかもしれません。
私が寒めの部屋(16℃)で吹ているせいはありますが、ヤマハリコーダーよりもよく詰まるので、頻繁に水滴処理をしながら演奏しています。
また、管が少し太いためか右手小指が少し押さえにくく、最低音のファが他のアルトリコーダーよりも少し出しにくいですね(買ったばかりなので、慣れの問題かも)。
私の一番おすすめの樹脂製リコーダーなのですが、Amazonや楽天市場では売り切れていることも多く、私も3月にやっとゲットできました。
気になる方は、入荷されているかどうか、小まめにチェックしてみてくださいね。
ゼンオン アルトリコーダー G-1A ブレッサン

ゼンオン アルトリコーダー G-1A ブレッサンはゼンオンアルトリコーダーの最上位モデルで、様々なこだわりの設計がされています。
- ウィンドウェイのストレート状態を解消
- 内径の設計を再現
商品紹介ページで設計のこだわりを読んで、欲しくなってしまいました(笑)。
良いところ
- 暗めで渋カッコいい音色
- 音の立ち上がりが格別
- 丸くてまとまった音がする
微妙なところ
- 高音域が少し出しにくい
- ウィンドウェイに水滴が溜まりやすい
ヤマハとアウロスの中間(ややアウロス寄り)くらいの、やや暗めな良い感じの音がします。
また、発音が非常によくて、軽めに吹いても「パッパッ」と気持ちよく音が立ち上がり、よく響いてくれます。
とても好きなリコーダーなのですが、ウィンドウェイに水が溜まりやすく、音に雑音が入りやすいという欠点も…。
低音は雑音が入りつつも音は出るのですが、高音は雑音が増幅されて音が出しにくくなります。。。
動画でもすぐに水滴が詰まって音がおかしくなっていますね。
AULOS アルトリコーダー シンフォニー509BWも「少し詰まりやすい」と書きましたが、アウロスよりもはるかに詰まりやすいです。
ただ、今が冬なので、暖かくなると改善するかもしれません。
水滴が詰まるという欠点はありつつも、本当に魅力的なリコーダーですので、使いこなすべく研究を続けているモデルです。
まとめ
日本の樹脂製リコーダーメーカーとおすすめモデルをご紹介しました。
どのメーカーも魅力ある素晴らしいリコーダーを作っていますので、ぜひ試してみてくださいね。