「リコーダーとクラリネットって何か似てるけど、何が違うの?」

このような疑問にお答えします。

リコーダーとクラリネットって、どちらも楽器を口にくわえて縦に構えるので、「似ている楽器」と思っちゃいますよね。

私も中学で吹奏楽部に入ったとき「リコーダーと似ているからクラリネットなら吹けそう」とか思っていました(笑)。

しかし、リコーダーとクラリネットは全然別の楽器です!

リコーダーとクラリネットの違い
  • 楽器の構造の違う
    • 音の出る仕組み
    • 音域や音色・音量
    • 楽器の調
  • 演奏方法の違い
    • くわえ方
    • 吹奏感の重さ
    • 指づかい
    • タンギング
    • 音程の変わり方
  • 活用シーンの違い
    • リコーダーは学校教育や趣味
    • クラリネットは吹奏楽やオーケストラ
  • 値段の違い
    • 楽器の購入費
    • 楽器の維持費

音の出る仕組みも演奏方法も全然違うので、同じようには吹けません。

吹奏楽部や趣味で始めるときに「リコーダーとクラリネットは似てる」と勘違いしていると痛い目を見ます(笑)

しっかり違いを理解して、自分に合う方を選ぶようにしましょう。

リコーダーとクラリネットの違い

リコーダーとクラリネットには、次のような違いがあります。

リコーダーとクラリネットの違い
  • 楽器の構造の違う
    • 音の出る仕組み
    • 音域や音色・音量
    • 楽器の調
  • 演奏方法の違い
    • くわえ方
    • 吹奏感の重さ
    • 指づかい
    • タンギング
    • 音程の変わり方
  • 活用シーンの違い
    • リコーダーは学校教育や趣味
    • クラリネットは吹奏楽やオーケストラ
  • 値段の違い
    • 楽器の購入費
    • 楽器の維持費

それぞれご説明しますね。

楽器の構造が違う

リコーダーとクラリネットでは、楽器の構造が大きく異なります。

音の出る仕組みが違う

リコーダーとクラリネットの1つ目の違いは、音の出る仕組みが違うことです。

リコーダーエアリード
クラリネットリードを振動させる

リコーダーは吹き込んだ息が、直接空気の振動になって音がでます。

一方でクラリネットは、マウスピースに取り付けたリードを振動させることで音を出します。

このような「音の出る仕組み」の違いによって、音域や音量、演奏方法(くわえ方、吹奏感、指使いなど)にも違いが出てきますよ。

音域や音色・音量

クラリネットとリコーダーでは、音域や音色・音量に違いがあります。

リコーダークラリネット
音域2オクターブ3.5オクターブ
音量音量の変化は限定的ごく小さい音から大きい音まで出せる

クラリネットの方が音域も音量も幅が広いです。

これだけ見るとクラリネットの方が優れた楽器にも見えますね(笑)。

でも、リコーダーにも良いところはありますよ。

楽器の調の違い

リコーダーとクラリネットの3つ目の違いは、調が違うことです。

リコーダーC調:ソプラノ、テナー
F調:アルト、バス
クラリネットB♭調、E♭調、A調
楽器の調とは?

楽器の調とは、“「ド」の運指で演奏したときに出る音”のことです。

  • C調なら、ピアノのドと同じ音
  • F調なら、ピアノのファの音
  • B♭調なら、ピアノのシ♭の音

ソプラノリコーダーとアルトリコーダーで「ド」が出る運指が違う理由は、楽器の調が異なるからです。

クラリネットのドはシ♭になるので、絶対音感がある人には気持ち悪いかもしれませんね。

私は吹奏楽で音楽を始めたせいで、「B♭=ド」が体に染み付いており、リコーダーやピアノの譜読みが超苦手です…。

演奏方法の違い

リコーダーとクラリネットでは、演奏方法も大きく異なります。

演奏方法の違い
  • アンブシュア(くわえ方)が違う
  • 吹奏感の重さが違う
  • 指づかいが違う

演奏してみたい方には一番重要な部分かと思いますので、しっかり理解しておきましょう。

アンブシュア(くわえ方)が違う

リコーダーもクラリネットも吹き口をくわえて息を吹き込むことは同じです。

しかし、くわえ方は全然違います。

楽器のくわえ方
  • リコーダー
    • 吹き口が口に入っていればOK
    • 浅めにくわえられる
  • クラリネット
    • 下唇を下の前歯に被せる
    • マウスピースを上の前歯の裏に当ててくわえる
    • 軽く噛む
    • リコーダーよりは深くくわえる必要あり

リコーダーは吹き口をくわえて息を入れれば音が出ますが、クラリネットは出ません。

クラリネットのリードを振動させるためには、下唇を下の歯に被せて、軽く噛む必要があります。

下唇を噛むので、吹奏楽部でクラリネットを吹いていた頃は、下唇の裏にいつも歯型がついていました…笑

リコーダーは前歯より手前でも大丈夫ですが、クラリネットは上の前歯より奥までくわえなければなりません(先生によっては、「深めにくわえろ」と指導される方も…)。

マウスピースをくわえた状態で軽く噛まないといけないので、私のような顎関節症の人間にはきつすぎます。。。

また、クラリネットの方が口の筋肉を使うので、長時間演奏すると口が疲れやすいです。

リコーダーの方が楽にくわえられる上に、体にも優しいと言えるでしょう。

吹奏感の重さが違う

リコーダーとクラリネットでは、吹奏感も大きく異なります。

吹奏感の違い
  • リコーダー:抵抗感が少なく、軽い
  • クラリネット:抵抗感が強く、重い

リコーダーは抵抗感が少ないので、軽く吹いても音が出ますね。

一方でクラリネットは、リードの硬さにもよりますがリコーダーに比べると抵抗感が強く、体力が必要です。

年をとってからも趣味で続けたい場合は、リコーダーの方が長く続けられそうですね。

指使いが違う

リコーダーとクラリネットでは、指づかいも全然違います。

指使いの違い
  • リコーダー
    • サミングしたら1オクターブ上の音が出る
    • キーがないので運指が複雑
  • クラリネット
    • レジスターキーで1.5オクターブ上の音が出る
    • キーがいっぱいあるので半音階はしやすい
    • 左手人差し指、小指にいっぱいキーがあり忙しい

リコーダーはミの音でサミングをしたら高いミの音が鳴りますよね。

でも、クラリネットはミの音でレジスターキーを押すと、高いシの上の音が鳴ります。

慣れればなんてことないですが、慣れるまでは大変かもしれません。

また、クラリネットにはキーがごちゃごちゃ付いています。

特に左手人差し指と小指がキーだらけで大変です(クラリネットを吹いてた頃は、左手人差し指が太くなっていました…笑)。

でも、キーがあることによって半音階はリコーダーよりもクラリネットの方が簡単です。

個人的には、運指はクラリネットの方がしやすいですかね。

タンギングのしやすさが違う

リコーダーとクラリネットではタンギングのしやすさが全然違います。

タンギングのしやすさの違い
  • リコーダー:簡単
  • 金管楽器:普通
  • クラリネット:超難しい

私はチューバも3年吹いていましたので金管楽器も分かるのですが、クラリネットのタンギングは断然難しいです。。。

クラリネットのタンギングが難しい理由
  • マウスピースとリードが口の中にある
  • ある程度噛んだ状態を維持せねばならない
  • リードの先端付近に舌が触れないといけない

クラリネット初心者の頃は、舌から血を滲ませながらタンギングの練習をしました…

スタッカートが特に難しいので、大学のときに1ヶ月間スタッカートばかりの集中練習をして、やっとなことでできるようになりました。

一方で、リコーダーは普通に「タッタッ」とタンギングすれば簡単にスタッカートができるので楽ちんですよ。

音程の変わり方が違う

リコーダーとクラリネットでは、息を吹き込んだときの音程の変わり方が異なります。

息を吹き込むと
  • リコーダー:音程が高くなる
  • クラリネット:音程が低くなる

私はクラリネット歴が長いせいで、「音程がちょっと低いな」と思った時に息を弱めて合わせようとする癖があります。。

でもリコーダーで息を弱めると、もっと音程が低くなってしまうので大惨事…笑

音程の変わり方の違いを理解して、適切な調整をできるように練習することが必要ですね。

ちなみに、金管楽器もリコーダーと同様に、息を吹き込むと音程が高くなりますよ。音程が低くなるのは、クラリネット・サックスなどのリード楽器の特徴です。

活用シーンの違い

リコーダーとクラリネットは、活用シーンが異なります。

主な活用シーン
  • リコーダー
    • 学校教育
    • アンサンブル
    • ソロ
  • クラリネット
    • 吹奏楽
    • オーケストラ
    • アンサンブル
    • ソロ

リコーダーの活用シーン

リコーダーは音を出すのが簡単で手軽に楽しめることから、学校教育や趣味で利用される傾向にあります。

学校教育で使われるイメージから、リコーダーは「しょぼい楽器」と思われがちですが、それは間違いです!

演奏している人が下手なだけであって(笑)、リコーダーはしょぼくはありません。

リコーダーで素晴らしい演奏をされる達人はいっぱいいますよ。

また、「しょぼい楽器」と思われていることは、演奏者にとってはむしろ好都合です。

私みたいなプロとは程遠いアマチュアの演奏でも「こんな上手いリコーダー初めて聞きました!プロですか?」と大絶賛されるので。

リコーダーは褒められやすいので、ソロでもアンサンブルでも、積極的に演奏を披露してみましょう。

クラリネットの活用シーン

クラリネットは難しいですが、音量も大きくできることが多いので、吹奏楽やオーケストラで利用されます。

団体の中のクラリネット担当として活動することになるので、1人でリコーダーを吹いているよりも責任は大きいですね。

私は責任感がなく、自分が好きな曲で遊び始めるタイプなので(笑)、クラリネットは向いていませんでした。

吹奏楽部のクラリネットパートは厳しい人多いですしね。

値段の違い:クラリネットはお金がかかる…

リコーダーとクラリネットでは値段が大きく異なります。

購入費の違い

演奏を楽しめるレベルの楽器を買おうと思うと、ざっくり以下の予算が必要です。

楽しむために必要な予算
  • リコーダー:2000円ほど
  • クラリネット:10万円以上

リコーダーは高品質な樹脂製リコーダーが多いので、低予算で演奏を楽しめます。

それに対してクラリネットは、樹脂製は音色や吹奏感が悪く演奏を楽しめません(樹脂製クラリネットでも数万円はしますしね…)。

木製クラリネットの安いものは演奏を楽しめる性能ですが、安くても10万円以上はします。

私の使ってたクラリネットは40万…

リコーダーの方が圧倒的に安いですね。

維持費の違い

リコーダーとクラリネットでは維持費も大きく異なります。

楽器の維持費
  • リコーダー:0円(樹脂製の場合)
  • クラリネット:
    • リード:一箱4000円ほど
    • メンテナンス:一回数千〜数万円

クラリネットはリード(消耗品)を買わねば音が出せません。

リードは一箱に10枚入っていますが、全部使えるわけではありません。

運が良くて3枚、最悪1枚も使えないこともある“地獄のくじ引き”です。。。

リードは消耗品なので、毎日演奏するのであれば、月に一箱以上は買うことになり、めちゃくちゃお金がかかります。

さらに、クラリネットのフィッシュスキンタンポは破れやすく、破れると音が悪くなるためメンテナンスが頻繁に必要。

私はタンポが破れるのが嫌で、全てレザータンポに交換しましたが、3万円はかかりました…笑

クラリネットをする場合は、リードとメンテナンス代は覚悟しておきましょう。

リコーダーかクラリネットの選び方

リコーダーとクラリネット、それぞれのおすすめする人をご説明します。

リコーダーをおすすめする人

リコーダーは誰にでもおすすめできます。

強いて言うなら、次のような方におすすめです。

リコーダーをおすすめする人
  • 手軽に演奏を楽しみたい人
  • あまりお金をかけたくない人
  • リコーダーが好きな人

手軽にお金をかけずに楽しいことをしたい人には、最高の趣味ですね。

楽器も安いので、興味のある方はすぐに始めましょう。

クラリネットをおすすめする人

クラリネットはおすすめするのは、次のような方です。

クラリネットをおすすめする人
  • 吹奏楽・オーケストラに挑戦したい人
  • 初心者の時のしんどさ(音が出ない、タンギング激ムズなど)に耐えられる人
  • お金がかかっても大丈夫な人
  • 健康問題(下唇に歯型、右手親指のタコ、指や歯の変形など)に耐えられる人
  • クラリネットが好きな人

正直言って、クラリネットには辛いことがいっぱいありますので、よっぽど好きな人以外は微妙ではないかな…

私も以前はクラリネットの虜だったので、辛さがほとんど気になりませんでしたが、一度離れた今はもう吹く気がしません…笑

吹奏楽やオーケストラをしたいなら、サックスやフルートの方がおすすめです。

それでもクラリネットをしたいと言う「クラリネット大好きな方」は、止めません。ぜひクラリネットを頑張ってください!

まとめ

リコーダーとクラリネットの違いをご紹介しました。

リコーダーとクラリネットの違い
  • 楽器の構造の違う
    • 音の出る仕組み
    • 音域や音色・音量
    • 楽器の調
  • 演奏方法の違い
    • くわえ方
    • 吹奏感の重さ
    • 指づかい
    • タンギング
    • 音程の変わり方
  • 活用シーンの違い
    • リコーダーは学校教育や趣味
    • クラリネットは吹奏楽やオーケストラ
  • 値段の違い
    • 楽器の購入費
    • 楽器の維持費

どちらも非常に楽しいのですが、大人が趣味で演奏をするなら、リコーダーの方がおすすめですかね。。。

違いを理解して自分に合う方を選びましょう(私みたいにどっちもしても楽しいですよ)!